SPECIAL
用語集
詞術
言語
この世界に共通言語は存在せず、各々の個体が独自の文法や発声で言語を構築する。 これは詞術によって各々が用いる言語の意味が翻訳されるため。言語を持つ存在である限り、人外種族や"彼方"の人間であっても会話が成立する。
詞術(広義)
この世界の根幹にある、意思疎通の法則。 『心ある種族』が話す言語は、話し手の言語によらず、意味が自動的に翻訳されて聞き手へと伝わる。 テレパシーの類ではなく、話し手が発音した言語が正しく聞き手へと伝わっている必要がある。 よってこの世界には共通言語や共通文字が成立しておらず、同じ人間ですら一人ごとに全く異なる言語を話している。 人とはかけ離れた異形の生命体とも詞術を介して会話が可能だが、反面、それ以外の獣は全て『心なき獣』として扱われている。
詞術(狭義)
この世界では、物言わぬ自然物と詞術を介して意思疎通をする技術が発展している。 声の届く範囲の物質に頼む技術を鍛えることで、物理法則に反した様々な現象を引き起こすことができる。 主に日常の延長として用いられる技能だが、これを戦闘に応用する者もいる。 大きく四系統に分類されているが、その分類に当てはまらない術を用いる者もいる。
熱術(ねつじゅつ)
詞術四系統の一。物理学でいうスカラーを操作し、主に熱を発生させる。光や電流といった形態を取ることもある。
力術(りきじゅつ)
詞術四系統の一。物理学でいうベクトルを操作し、物質を動かしたり飛ばすといった運動量の操作を行う。
工術(こうじゅつ)
詞術四系統の一。物質の形状を変化させる。変形や圧縮、切断などの他、高度な物質変換なども含まれる。
生術(せいじゅつ)
詞術四系統の一。物質の性質を変化させる。対象の化学変化を引き起こす他、生体の保存や治療も可能。
客人(まろうど)
"彼方"と呼ばれる異世界から訪れる、大きな変化あるいは災厄の予兆として語られる存在。 "彼方"の物理法則では存在を認められぬほどに逸脱してしまったが故に、この世界へと流れ着いてくるという。 多くの"客人"は、その逸脱性の根拠となる、極めて突出した技能を有している。 この世界の常識を知らずに流れ着いてくること、強大な戦闘能力を持つことから、王国と敵対した記録も多い要注意存在である。 自分以外の誰かから与えられた言語の話者であるため、狭義の詞術を行使できない。
命の詞術
魔族の命の核を担う、人工的な詞術構造。この刻印は各個体によって位置が異なり、外観からの目視での特定は困難を極める。
詞神(ししん)
世界を創造したとされる存在。 詞術の根源とも考えられており、”教団”の信仰対象である。
種族
人族:人間(ミニア)・森人(エルフ)・山人(ドワーフ)・巨人(ギガント)・小人(レプラコーン)
人型の種族。平均的な体格や寿命こそ大きく異なるが、その多くは極端に大きな外見的差異があるわけではない。 主に居住する土地によって名付けられており、人間の場合、森人や山人の間に住むことから人間と呼ばれる。 黄都は最大の人族国家であり、都市圏では人間がその数において他の種族を圧倒している。
魔族(まぞく)
詞術によって命なきものに命を与えることで生成する、魔なる種族。 機械に命を与えたものが機魔、死体に命を与えたものは屍魔、骨格に命を与えたものは骸魔と呼ばれる。 死体を素材にした者であっても、生前とは全く別個の生命体として新たに発生する。中でも、詞術を操る心を持つ個体は極めて高度である。 その多くは正常な生命活動を行っていないが、命の核を破壊されることで死亡する。
機魔(ゴーレム)
主に非生体を素材として製造された魔族。程度の差はあれ心と知性、命を持っており、発音できるなら詞術も使える。 生命体よりも機械に近い存在だが、命の刻印が破壊されることで「死亡」する。
屍魔(レヴナント)
動物の死体を素材として製造された魔族。 死体ゆえ食事や呼吸といった生命活動を行わない。 ただし不死の存在ではなく、命の刻印が破壊されることで『死亡』する。
鳥竜(ワイバーン)
前肢を持たない小型の竜。飛行に特化した身体構造ゆえ飛翔速度や小回りでは竜をも上回る。 雑食かつ攻撃性が高く、ほぼ全ての種族に対し敵対的。 空の支配種族である。
統率個体
鳥竜(ワイバーン)の群れには必ず統率個体と呼ばれる個体がおり、群れとしてそれに従う習性を持つ。 群れ全体の行動様式も、統率個体の性質に大きく左右されるという。
根獣(マンドレイク)
森の中などに生息している植物知性体。 微量でも神経細胞を融解し速やかに命を奪う猛毒をもつ。
天使(エンジェル)
詳細不明の種族。 “教団”では詞神が創世のために作り出した種族として伝えられているが、その実在を確認した者はいない。
土地 彼方(かなた) この世界とは異なる、“客人”の故郷の世界。“客人”からの伝聞でしか窺い知ることはできないが、この世界以上に文明が進んでいると考えられている。
銃やメートル法など、“客人”を通じてこの世界に取り入れられた事柄も数多い。 黄都(こうと) “本物の魔王”の侵攻で滅んだ三王国の統合によって樹立した、最大の王国。
鉄道や蒸気自動車などの技術が発達しており、人間以外にも多くの種族が行き交っている。 黄都二十九官 統一国家の黄都は、女王の統治下にあるが、実権を握っているのは黄都二十九官である。
卿が文官で将が武官である。数字による上下関係はない。 黄都兵 人間を主体に部隊を編成している。
一定の訓練を積んでおり、前衛は長剣と短剣、後衛は弓や小銃を主とした装備を基本としている。
斥候として各部隊には騎馬兵も配属している場合が多い。 リチア新公国(りちあしんこうこく) 黄都の西方に位置する巨大都市。運河に沿った大堤防に合わせて発展しており、水産資源に恵まれている。
長く黄都の支配下で辺境開発の前線基地を担っていたが、領主である警めのタレンの離反とともに黄都からの独立を宣言した。 ナガン迷宮都市 魔王自称者軸のキヤズナが作り出したとされる巨大構造物、ナガン大迷宮の解析のために集った探索士や学士が、いつしか形成した都市。
歴史は短いが、大迷宮に臨む探索士養成校をはじめ学校や図書館などの施設が多く設立され、各地から学士達が集う知の一大拠点となっている。 キーワード 本物の魔王(ほんもののまおう) この世界を恐怖に陥れた『何者か』。
おぞましい恐怖をもって世界の全てを脅かしながら、誰一人その正体について語ることができない異常な存在。
魔王軍と呼称された軍勢は極めて脆弱であり、まともな作戦行動すら取ることもなかったが、その恐怖は人族の生存圏を十分の一にまで狭め、緩やかな絶滅の淵へと追い込んでいた。 本物の勇者 “本物の魔王”を殺したとされる『何者か』。
その正体は“本物の魔王”以上に不明であり、“本物の魔王”を殺した確たる証拠を持つ者は一人として現れていない。
黄都は、この正体不明の“本物の勇者”を公式に決定するための上覧試合に動き出している。 勇者 “本物の魔王”を殺し、魔王の時代を終わらせた者。
名称不明。生死不明。実在不明。 魔王自称者 黄都の“正なる王”ではなく“魔なる王”たちの総称。王を自称せずとも大きな力をもち黄都を脅かす行動をとるものを、魔王自称者と認定し討伐対象とする場合もある。 六合上覧(りくごうじょうらん) “本物の勇者”を決めるトーナメント。一対一の戦いで最後まで勝ち進んだものが“本物の勇者”であることになる。出場には黄都二十九官のうち一名の擁立が必要となる。 勇者候補者(ゆうしゃこうほしゃ) “本物の勇者”を決める六合上覧に出場する十六名のこと。 黄都二十九官 統一国家の黄都は、女王の統治下にあるが、実権を握っているのは黄都二十九官である。
卿が文官で将が武官である。数字による上下関係はない。 その他 二つ目の名(ふたつめのな) 「柳の剣の」「星馳せ」のように、出生名の前に付けられる名で、その者の性質を端的に表す。二つ目の名まで含めて正式な名前とされる。王族は二つ目の名を持たない。 黒曜の瞳(こくようのひとみ) “本物の魔王”の時代に戦乱の裏で暗躍していたとされる、地上最大の諜報ギルド。 魔剣・魔具 強力な能力を宿した剣や道具。“客人”と同様に、世界の許容量を超える力を宿してしまったことで、異世界より転移させられてきた器物もある。 ラヂオ ラヂオ鉱石を用いた通信装置。雑音が混じり距離に制限もあるが、離れた者同士で通信できる為、軍ではとても重宝されている。大きさによって性能は異なる。